預け荷物をやめると、旅の形が変わります。到着してターンテーブルの前に立つ二十分がなくなり、乗り継ぎで荷物が消える心配もなくなる。一週間程度なら、機内持ち込みだけで十分に足ります。
容量の考え方
機内持ち込みのサイズ規定は航空会社ごとに違いますが、三辺の合計が115センチ前後、重さ7キロから10キロというあたりが多い。日本の国内線は路線と機材で条件が変わるので、予約のたびに確認する癖をつけておくと安全です。
問題になりやすいのは容積より重量です。40リットルのスーツケースは容積としては余裕がありますが、詰め方によっては簡単に10キロを超えます。
服を減らす
一週間で必要な服は、実際に着る枚数より少なくて構いません。着回すことが前提だからです。
トップスを三枚、ボトムスを二本。これで一週間回ります。色を揃えておけば、どの組み合わせでも成立する。下着と靴下だけは日数分持つか、あるいは三日分にして洗う。
洗濯は宿でできます。洗面台と、少量の洗剤と、干す場所。速乾の素材を選んでおけば一晩で乾きます。服の枚数を減らす代わりに素材で稼ぐ、という交換です。
靴を増やさない
荷物が重くなる最大の原因は靴です。一足増えるだけで容積も重量も跳ね上がる。
履いていく一足で全部を賄うのが理想ですが、旅の内容によっては難しい。その場合でも二足まで。増やす一足は、いちばん軽くて畳めるものにします。
液体の扱い
国際線では液体物が100ミリリットル以下の容器に限られ、それらを1リットル以下の透明な袋にまとめる必要があります。この規定を忘れると保安検査で捨てることになります。
シャンプーや洗剤は宿にあるものを使う前提にすれば、持っていくのは歯磨き粉と、必要なら化粧品だけになります。固形のものに置き換えられるなら、そのほうが袋に入れずに済みます。
何を選ぶか
ソフトケースかハードケースかは好みですが、機内持ち込みに限れば布のソフトケースのほうが融通が利きます。多少膨らんでもサイズ規定に押し込める。
四輪か二輪かも分かれるところです。四輪は平らな床で楽ですが、石畳や砂利では二輪のほうが強い。ヨーロッパの旧市街や、舗装の悪い地域へ行くなら二輪を検討する価値があります。
バックパックという選択肢もあります。階段の多い街では明確に有利で、両手が空く。ただし一週間分を背負って一日歩くと、翌日に響きます。
決め方
結局のところ、行き先の路面と階段の量で決まります。石畳が多いか、宿にエレベーターがあるか、移動の回数はどれくらいか。
その三つを先に決めてから鞄を選ぶと、失敗しにくくなります。