城崎温泉、外湯めぐりの作法

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城崎温泉には七つの外湯があります。宿に泊まると外湯めぐりの湯札が渡され、滞在中は何度でも入れる。この仕組みが、この温泉地の作りそのものを決めています。

宿の風呂は小さくていい

城崎の旅館は、内湯が小さいことがあります。それは手抜きではなく設計です。風呂は外にあるという前提で街ができているので、宿は寝るところと食事のところに集中している。

だから宿選びの基準が他の温泉地と変わります。大浴場の広さで選ばない。外湯までの距離と、食事と、部屋で選ぶ。

浴衣で歩く

夕方になると、浴衣に下駄の人が通りを歩き始めます。これは演出ではなく移動手段です。宿から外湯へ、外湯から次の外湯へ。柳並木の通りを下駄の音が鳴りながら人が行き来する時間帯が、城崎のいちばん城崎らしい時間です。

浴衣は宿で借りられます。下駄も。慣れていないと足の指の股が痛くなるので、鼻緒に指を深く入れすぎないこと。歩幅を小さくすると音も揃います。

七つの湯の性格

七つ全部に入る必要はありません。一泊なら二つか三つが現実的です。

御所の湯は規模が大きく、庭を見ながら入る造りになっています。人気があるので混みます。一の湯は洞窟風呂があって、岩をくり抜いた空間に湯が張ってある。鴻の湯はいちばん奥にあって、その分だけ人が少ない。地蔵湯や柳湯は街の中心に近く、通りがかりに入りやすい。

まんだら湯とさとの湯を含めて七つですが、定休日が湯ごとに違います。行く日に何が開いているかは、宿で聞くのが確実です。

順番と時間

外湯は多くが夜十一時まで開いています。夕食前に一つ、夕食後に一つ、翌朝に一つ。この配分が体に無理がありません。

続けて三つ入るのは勧めません。温泉は体力を使います。特に夕食に飲む予定があるなら、食前は一つに留めておくほうがいい。

朝の外湯は空いています。七時前に開くところもあるので、朝食前に歩くと、前夜とは別の街の顔が見られます。

湯上がりのこと

外湯のあいだには店があります。射的場も、卵をゆでる場所も、小さな菓子屋もある。湯から湯へ移動する途中に何かある構造が、この街の面白さを作っています。

温泉街としては小さいほうです。端から端まで歩いて二十分ほど。だから何度も往復することになるし、往復しても飽きない密度で店が並んでいる。

一泊では足りないと感じたら、それは正しい感想だと思います。